──ギルギルタウンが信じる“頼り合う”というカルチャー
ギルギルタウンでは、情報を惜しみなく共有し、
何の躊躇いもなく仲間に頼る。
このカルチャーこそが、私たちを強くすると考えている。
みんな仕事ができすぎた会社で学んだこと
私は新卒で入社した会社で、衝撃を受けた。
みんな、あまりにも仕事ができすぎるのだ。
同じ時間で捌く業務の量は、自分の5倍では効かなかったと思う。
しかも驚くべきことに、人も良くて、自虐もできて、全員おもしろい。
“完璧なのに、ちゃんと笑える”人たちだった。
詰まるところ、一人ひとりのスペックがとてつもなく高い。
よくある五角形パラメーターで表すなら、全方向に伸びきっていて、面積が広すぎる。
そんな環境にいたおかげで、
「自分はここでは活躍できないな」という結論を下すのは早かった。
ただ同時に、強烈な疑問も残った。
どうして彼らは、こんなにハイパフォーマンスを出せるんだろう?
“できない”と言えない環境が、人を万能にした
会社にいたみんなは私から見ると全員がスーパーマンだった。
ただ、それでも完璧な人間なんていなかった。
彼らの多くは、たくさんのことができるからこそ自分には特別な何かがないと感じていたり、見えないプレッシャーとずっと戦っていた。
“何でもできる人”ほど、自分の中にある空白を知っている。
私の出した結論はこうだ。
人に「できない」と言えない環境が、オールマイティな人材を育てた。
同僚の過去を聞くと、多くの人が子どもの頃から“何でもできた”らしい。
「◯◯くんは何でもできてすごいね!」という言葉は、賞賛であると同時に、ノルマでもある。
期待に応えるためには、当たり前のように結果を出し続けなければならないから。
その繰り返しが、彼らの“パーフェクトスキル”をつくり上げたのだ。
でも、そのスキルの裏には、“できない”を言えない孤独が潜んでいる。
自分の弱さを隠しながら、常に高みを維持し続けなければならない。
そんな見えない重力は、ジワジワとのしかかる。(かくいう自分も同じ気持ちを抱えていた経験がある)
「俺はワクワクしたいんだ!」の男
同僚の女の子が失恋して、泣きながら相談していたときのこと。
ある男がこう言った。
「俺はワクワクしたいんだ!!」
場違いもいいところだ。あの時の彼女の驚いた表情は一生忘れられない。
だが、私はその男と今、一緒に会社をやっている。
彼もまた、かつて“何でもできる人間”として、
常に自分で自分にプレッシャーをかけ続けていた。
そんな彼が、ギルギルタウンを立ち上げてから覚えた必殺技がある。
「俺にはそれできない。大樹さん、お願いします!」
たった一言。けれど、これが大きな変化を生んだ。
「できない」と言えた瞬間、人は鋭くなる
不思議なことに、彼の中に自分の得意領域への圧倒的な自信と責任感が生まれた。
彼は“完璧な五角形”を目指すのをやめ、
“鋭利な三角形”を目指すようになった。
自分の得意分野(クリエイティブ制作やブランディング)で誰にも負けない尖り方をするために。
人は頼られた時に、使命感と喜びを感じる生き物だ。
だから、人に頼るということは「相手に愛されるチャンス」でもある。
一人で完結する人はかっこいいけれど、
人から愛される機会を失っているのかもしれない。
そしてそれは、頼られる側の成長の芽を摘んでいるのかもしれない。
ギルギルタウンは、完璧じゃなくていい
この会社では、完璧でなくていいし、“仕事ができる”必要もない。
大切なのは、自分の領域で全力でチームに貢献すること。
お互いが信頼し合い、それぞれの領域で“社内ナンバーワン”を持っている。
局面ごとにスペシャリストが入れ替わり立ち替わり登場し、その瞬間の勝負を任せ合う。
そして、何かがうまくいかなかったときは、こう言い合える関係でいたい。
「あいつでダメだったら仕方ないな。」
その信頼が、チームを強くする。
その安心が、挑戦を可能にする。
その空気こそが、ギルギルタウンのカルチャーだ。
終わりに
「何でもできる人」ではなく、
「頼れる人」「頼ることができる人」が集まった組織。
それが、私たちの理想であり、
ギルギルタウンという“チームそのものの在り方”だ。



